スペースの有効活用

施設を使用していると、もっと広いスペースが欲しい、部屋を繋げて利用したい、収納スペースを増やしたい、ホールや食堂が欲しい、などというニーズが出てくることがあります。でも、限られたスペースで、このような要望を満たすことは難しい、と最初からあきらめていませんか?

最近建築された施設を見てみますと、可動間仕切り等で部屋が仕切られ、仕切りを動かすと広いスペースができて、ホールや広い食堂として利用可能になる、そのような仕様となっているものが増えています。
しかしながら、築年数の古い施設などでは、各年代ごとに部屋を設け、それぞれが仕切られているものが多いようです。
また、定員増などで厨房が狭くなった、来客用の応接室が欲しい等の、スペース利用に関するリフォームの相談が増えています。

では、建物全体の広さを変えずに、配置換え等でそのようなニーズを満たすことが可能なのでしょうか?

一般的に各部屋を仕切る壁は、構造壁と間仕切壁に分かれます。構造壁は建物を支えている壁で、簡単に動かすことはできません。しかしながら間仕切り壁は、自由にレイアウト変更等で動かすことができます。
例えば、3~5歳児の部屋の間仕切り壁を撤去し、各年代の利用するスペースごとに低い収納家具等で仕切れば、見通しの良い、広い空間ができます。収納家具を可動式にしておけば、式典やイベントの際には広いホールとして利用できます。

また、廊下の活用も検討できます。廊下をなくして部屋と合わせて使用すれば、部屋が広く使えます。また、廊下を収納の一部として活用することも可能です。
廊下は移動するために必要なもの、という規定概念を取り外し、部屋の中を通って移動することを検討すれば、廊下は『生きた空間』として利用できる可能性もあるのです。

玄関口等で見られる明るい吹き抜けスペース。明るくて開放感がありますが、手狭になった施設などでは、このスペースが無駄に思えてくることもあります。
建築法令上や構造上の制約もあり、すべてで可能とは言えませんが、吹き抜け部分に床を造り、部屋部分として使うことも検討可能です。安全面での配慮さえしっかりしていれば、収納スペースやプレイスペースとしても活用可能です。

このように、少し工夫するだけで、使い勝手のよいスペースを手に入れる可能性もありますから、まずは、建築設計士等の専門家に相談してみることをお勧めします。

長く、安全に使いたい建物だから、ニーズに合わせて変更することも検討したいものです。

 

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