設計を依頼する

施設整備である程度現況から変更するような工事の場合には、設計を依頼する必要があります。特に、補助金を申請する内容については、事前協議の段階で内容のわかる設計図面が必要になります。

設計には、事前準備設計(事前協議のための設計図面の用意等)、基本設計、実施設計があります。

事前準備設計

事前準備設計とは、これから施設整備していく青写真。この内容をもとに事業計画を作成します。ですから、要員計画に基づいた各室の必要最低面積等、最低限度の諸条件をクリアした図面です。一般的には建物平面図の作成からスタートします。この時点では、事業認可が下りるかどうかが不明なので、設計費用が無駄になる可能性があります。ですから、事前に費用を含めた設計条件をしっかりと確認したうえで、依頼する必要があります。

基本設計

基本設計とは、建物の概要を決める設計のことです。新しく園舎を建てる側の要望を受けて、建築に関する法的な制約や保育に関する指導要綱等、様々な要素をクリアして設計してもらわなければなりません。
特に保育に関する指導や安全基準は、一般の建物に求められるものと大きく異なりますので、実際に保育所等、乳幼児施設の設計をした実績のある方に依頼するのが安心だと言えます。
基本設計図には、仕上表・仕様概要書・配置図・各階平面図・断面図・立面図・矩計図(かなばかりず)・計画説明書・構造計画書・設備計画書・工事費概算書などが含まれます。これらは概算工事費算出にも使われます。
基本設計は、いわばこれから建てる園舎のイメージそのもの。ここでイメージが固まらなければ、後々まで影響することから、出来る限り時間を割いて、しっかりと建築設計士と打ち合わせしたいものです。

実施設計

実施設計(図)とは、実際の工事に使用する図面のことです。つまり、工事請負者(建設会社)が工事を実施し、工事費内訳明細書を作成するために必要な情報を盛り込んだ設計図のことです。この中には建物の基礎から躯体、外壁、内装、室内の配管に至るまで、細かく設計されます。また、使用する設備や壁、床、天井等の素材に至るまでの細部を決めていくものです。
実施設計図には、基本図の他、展開図・平面詳細図・部分詳細図・天井伏図・建具表・構造図・設備図などが含まれ、建築会社が実際に建築するのに必要な項目が網羅されています。

また、実施設計を行った建築設計士が、工事施工監理(実施設計通りに工事が進んでいるかをチェックする業務)を行うことが一般的です。ですから、依頼する建築設計士は、工事施工会社(建築会社)に対して、毅然とした態度で指摘できる方が望ましいと言えます。

なお基本設計段階では、建築設計士を依頼する際に、金額的なメリットで判断する相見積り方式、建物のデザインやコンセプトで判断するコンペ方式等があり、決定するためには、どの方法が良いか判断がつかない場合もあります。
依頼主の立場に立って、建築全般にアドバイスをもらえる専門家もいますので、相談してみてはいかがでしょうか?

 

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